2024年8月世界的に株価や債権、仮想通貨が急落し、下落相場でどのように動いたらよいのか困っている方がいると思います。
特に新NISAから投資を始めてみた方は初の急落で驚いていることでしょう。
今回はこのような下落相場の時にどのような動きをしたら良いのかについてリーマンショック時の経験から考えられることについて解説していきます。
- 下落相場での動き方はリスク許容度によって異なる
- リスク許容度が高い人は下落相場でもコツコツ積立、もしくはリバランスを行う
- リスク許容度が低い人はあらかじめ損切りのタイミングを決めておく
2024年8月の下落の背景
今回の下落の背景にはアメリカの失業率が上がり景気後退へ進んでいること、さらに中東情勢の不安定化などがあります。
2024年8月始めに発表された、7月のアメリカの雇用統計は予想よりも悪い結果となりました。
これが原因でマーケットでは金利が急低下し、1ドル150円前後で推移していたドル円は144円半ばまで急落し、合わせてニューヨークの株式市場も急落しています。
中東情勢も悪化し、イスラエルと対立するハマスの最高指導者が7月31日に殺害されたことから、イスラエルとハマスの関係は今後さらなる激しさを増すかもしれません。
このような背景から株式や債権、仮想通貨など全てが急落しそれに慌てて売却する人が出てきて市場はパニック状態です。
さらに日銀が利上げを行ったことで米国株などに投資をしている方には株安と円高のダブルパンチとなっています。
下落相場でどう動けばいいのかはリスク許容度によって違ってくる
このような下落相場ではいったいどのように動いたら良いのでしょうか。
この動き方は人それぞれリスク許容度が違うため、どれだけリスクを取れるかどうか(リスク許容度)によって対応が異なってきます。
リスク許容度
どの程度の価格変動まで(特にマイナスになった場合)受け入れられるかの度合い。
自分の置かれた環境や資産や性格によって変わります。
リスク許容度:低い | ポイント | リスク許容度:高い |
---|---|---|
高い(少ない) | 年齢(投資できる年数) | 低い(長い) |
独身 | 家族 | 家庭がある |
少ない | 資産 | 多い |
少ない | 年収 | 多い |
資産が目減りすることに抵抗感がある | 性格 | 資産が目減りすることに抵抗感がない |
そのため、今回はリスクを取れる人(リスク許容度が高い)とリスクを取りづらい人(リスク許容度が低い)で分けて考えていきましょう。
リスク許容度が高い場合
リスク許容度が高い人は下落相場でもコツコツ積立、もしくはリバランスを行いましょう。
過去の金融危機で、株価は大きく下落しましたが、その後何年かかけて回復をしています。今回の下落はいつまで続くのか分かりませんが、過去と同じように進めばこの下落は一時的なもので次第に回復するということです。
なので、この下落期間は絶好の買い時、バーゲンセール中と考えることができます。
積み立てるのは毎月でも良いですし、どのくらいの期間の下落になるのかがわからないので、基準の価格をあらかじめ決めて、その価格より〇〇%下がったら買い増し、さらに〇〇%下がったら買い増しということを続けるのがおすすめです。
また、自分でポートフォリオを組んで複数の資産を運用している方はリバランスを行うのも良いです。
例えば、50%株式と50%債権のポートフォリオを組んでいた人がいるとしましょう。
時間が経つにつれて株や債権の価格は変化していきます。そうすると株式と債券の割合が最初の50%株式と50%債権と変わってしまいます。それをもとに戻すのがリバランスです。
引用:野村アセットマネジメント
実は、リーマンショックの前後で最も安定したリターンを獲得したのは、ポートフォリオを一定に保つ戦略だったんです。
リーマンショックの時は、株価は大きく下がり、逆に債券の価格は上昇しました。
このまま放っておくとポートフォリオの中で株式の割合が下がってしまいます。そこでポートフォリオのリバランスを行います。
株価が暴落する中で株を買って、債券の価格が上昇する中で債券を売るという戦略が結果的に最も高いリターンを獲得していたということでした。
このことから、下落相場のときのリバランスは重要で、利益の出ていない投資商品の買い増しは有用であることがわかります。
リスク許容度が低い場合
リスク許容度が低い人はあらかじめ損切りのタイミングを決めておきましょう。
「価格が〇〇円になったら」や「〇〇%の損失になったら」と自分でルールを決めておくと良いです。
期間 | 株価安値 | 株価高値 | 下落率 | |
---|---|---|---|---|
ITバブル崩壊 | 2年 (1998年から2000年) | 965.8 | 1312.8 | -26% |
リーマンショック | 約2年(2008年~) | 676.5 | 1515.96 | -55% |
コロナショック | 約8ヶ月 | 2237.4 | 3386.15 | -34% |
過去の金融危機は上記のような期間や下落率です。期間は数ヶ月~数年と長期間で下落率も26~55%と大幅な下落です。
そのため損切りを躊躇したために損失が大きくなるケースもあります。
下落相場の時に重要なのは決めたルールに従って機械的に行動すること
このような下落相場の時に売却したり買い増ししたりという行動はとても怖いですし勇気がいるものです。
そのため、自分の感情に左右されると思うようなベストな行動ができないため、あらかじめルールを決めておくことがとても重要です。
買い増しの場合は、「毎月積み立てよう」や「価格が〇〇%下がったら買い増ししよう」など。
損切りの場合は「価格が〇〇円になったら」や「〇〇%の損失になったら」などと決めておきます。
ルールを決めておけばあとは機械的に行動するのみです。
自分の感情が一番投資において厄介になってくるのでそこだけは注意です。
まとめ:下落相場のときはリスク許容度によって異なる行動を機械的に行おう
まず下落相場ではどのように動いたら良いのかは、どれだけリスクを取れるかどうか(リスク許容度)によって対応が異なります。
リスク許容度が高い人は下落相場でもコツコツ積立、もしくはリバランスを行い景気の回復を待ちます。
そしてリスク許容度が低い人はあらかじめ損切りのタイミングを決めておき、損切りを躊躇したために損失が大きくなるケースを防ぐことを重視しましょう。
このような先が見えない状況でも世界経済がこの先ずっと後退することはなく、いずれは回復すると思います。あまり悲観せずにいきましょう。
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